私たちは、変化を避けることが出来ません。現状を揺るがすような変化には、行動が必要なのです。
しかし、それは同時に変革への扉を開くものでもあります。
私たちにとって、変革の定義の考え方は”意図して行動すること”です。
変革は可能性と実験を受け入れるもので、古いプロセスと考え方を意図的に打破し、将来を見据えた取り組みにコミットし学んで行くことです。
確実に進行しつつある地球温暖化や海面上昇、従来の私たちの事業活動は、健全な成長を妨げています。私たちは、そのソリューションを生み出し、思考の変革を進めています。
カナダグースでは、サステナビリティへの取り組みを2019年に表明し、変革を開始しました。サステナビリティは単なる方策ではなく、すべての部門に浸透し、すべての従業員に受け入れられなければならない最重点事項であると考えています。特に世界が深刻な課題に直面している状況において、前向きに推進する責任があると考えています。
社会的、経済的、環境的に具体的かつ差し迫った課題に取り組み、それぞれに対する目標とタイムラインを開示することを約束しています。そして、変化に対応する以上のことをしたいと考えています。ビジネスモデルに”良いこと”を組み込み展開することで、問題を受け入れ、活発化し、具体的に推進していきたいと思っています。
最初のサステナビリティレポートに掲載したサステナブル戦略の当初の目標のいくつかをすでに達成しました。直接排出および間接排出の温室効果ガス(スコープ1およびスコープ2)排出量のCo2排出量の測定とカーボンフットプリントを公表し、毎年の温室効果ガス排出量を削減、回避、または捕捉する制度に投資し、事業活動のオフセット(相殺)を進め、すでにカーボンニュートラルを達成しています。また、bluesign® system partner(ブルーサイン・システム・パートナー)として、bluesign®の原材料の規格に取り組んでいます。
パンデミックによりいくつかの取り組みのタイミングに遅れが生じましたが、カナダ国内における原材料について、2021年中にRDS(Responsible Down Standard。責任あるダウン基準)認証を100%取得、2025年までに生地の90%にbluesign®認証を取得しました。所有または管理するすべての施設でリサイクルできない使い捨てプラスチックを廃止するなど、残りの目標を達成するために順調に取り組みを進めています。
この1年は、タイムラインの一部を加速させ、迅速な対応が迫られる他の課題に焦点を当てました。また、今日の世界における事業の役割の進化を示しました。
例えば、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の感染拡大が始まった時、パーカ(Parka。フード付き防寒ジャケット)の生産を医療用ガウンや手術着の生産に転換し、Wuhan Charity Federation(武漢市慈善総会)に100万元(約1660万円)を寄付し、私たちを守る人々を守るために、私たちの役割を遂行しました。カナダ全土で14,000着、Mount Sinai Hospital(マウントサイナイ病院)系列に20,000着を寄贈しました。2020年の秋までに、州および連邦の要望に応じ、追加で250万着以上を原価で提供しました。
2020年後半、サステナビリティとカナダグースの価値観に基づいたあらゆる事業活動におけるイニシアチブを統合したプラットフォーム”HUMANATURE”を発表しました。製品に対して機能性を重視したデザインを忠実に追求し続けながらも、すべてにおいてサステナビリティを軸に行動します。これは、元々推進してきたカナダの企業としての文化や伝統、社会的、文化的取り組みが含まれる理想的な形です。
これは情熱を結集したプラットフォームであり、前進するにあたり、より健全で多くの行動をするための強力な基盤となります。
変化は困難であり、不安で怖さを伴うことは承知しています。しかし、変革に意味をもたせ、変化に取組み、それを利用することで、より良い未来と場所へ世界を導くことができます。
私たちは正しい方向をむいて、より良い変化への準備ができています。ぜひこのサステナビリティレポートをご覧いただけますと幸いです。
Dani Reiss ダニー・リース、 C.M.,
OOnt 社長 兼 CE