1着のパーカがきっかけに

カナダグースのスローガン「Ask Anyone Who Knows(知っている人に教えてもらおう)」。この取り組みの一環として、2007年、カナダ・ヌナブト準州のポンドインレットからMeeka AtagootakさんとRebecca Kilikteeさんの2人の裁縫技術者をカナダグースのトロント工場に招き、先住民族イヌイットの伝統的な裁縫技術を使用して1点ものの記念パーカを作る手助けをしてもらいました。

滞在中、2人は製造過程で余った布の切れ端を見て、それを使って家族や仲間にジャケットを作りたいから持ち帰ってもいいか尋ねてきました。このアイデアが、カナダ北部に暮らす人々に温もりを届ける活動のきっかけになるとは、このときは知る由もありませんでした。ちょっとしたこのリクエストが、重要な転機となりました。当時、カナダグースでは、会社に良い影響を与えてくれる北部の人々に向けて有意義な形で恩返しする方法を模索しており、また、廃棄するしかない余った材料を責任のある方法で活用したいと考えていたからです。

MeekaさんとRebeccaさんのアイデアをもとに、カナダグースは2009年、カナダグース リソースセンター プログラムを立ち上げました。カナダ北部の航空会社First Airとパートナーシップを結び、カナダ北部の遠隔地のコミュニティに生地や材料を寄付し、彼らが見たこともない、あるいは高額すぎて手に入らないであろう最新技術で作られた素材を使って、彼らが伝統的な裁縫技術を継承できるようお手伝いしています。

ヌナブド準州のポンドインレットとイカルイトで初めてのイベントを開催して以降、同プログラムは活動の規模を拡大してきました。これまでに、10以上の北部コミュニティに材料を届け、表地、裏地、ボタン、ジッパー、装飾用素材などを年に数回寄付してきました。材料はすべて、First Airが無償で運んでいます。

このプログラムを通じて、カナダグースの中核であるコミュニティに、目に見える有意義な形で恩返しすることができています。カナダグースの製品は、北極圏で着用するために作られ、北の大地、文化、コミュニティにインスパイアされています。カナダグースは、彼らの伝統的なクラフトマンシップを支援し、称えるこの活動に誇りを持っています。

2009年から続けている北部コミュニティへの生地の無償提供は、長さにして約100万メートル

イヌイット語で「手縫い」を意味する文字をあしらい、伝統的なクラフトマンシップを称えるカナダグースのスペシャルワッペン