カナダグースからオープンな生き方のガイド。

更なるサステナブルなブランドを目指して

  • 2021.09.06
更なるサステナブルなブランドを目指して

更なるサステナビリティを追求することは決して簡単なことではありませんが、私たちは挑戦し続けます。

私たちの軸には、お客様第一主義があり、サステナブルなブランドとして進化していきたいという思いは、何千年もの間自然と調和し、持続可能性に根ざした生活を送ってきた北部のコミュニティからインスピレーションを受け、私たちのこれまでの在り方に組み込まれています。主要製品の多くをカナダで製造することにこだわり、生涯保証付きの優れた製品を作ることを努めています。私たちは、人間と自然の間のギャップを減らす必要があると考えています。サステナビリティは、抽象的なアイデアや流行語ではなく、私たちが行動を起こすための重要な呼びかけなのです。

サステナビリティは長期的な課題であり、その達成可能性は例えるとエベレストを2度登るようなものです。私たちは、世界のために常により多くのことができることを知っています。それは圧倒されるような課題ですが、私たちはこれまで以上に学ぶことを約束します。2019年、私たちは企業のサステナビリティを専門とする新しいチームを立ち上げました。これに伴い、サステナビリティ戦略を策定、初の年次サステナビリティ・レポート(2020年4月発行)を発表し、当社の行動と期限に対して公的に説明責任を果たすことにしました。大好きなアウトドアを守ることに重点を置いた目標を掲げ、2025年には完全なカーボンニュートラルになることを目標としています。私たちは製品ラインとサプライチェーンのプロセスを分析し、最高クラスのサステナビリティ・イニシアチブにどのようにして全面的に取り組むことができるかを検討しています。

カナダグースのコーポレート・シチズンシップ担当副社長のギャビン・トンプソンは、「サステナブルな取り組みで最も成功しているブランドは、この考え方をビジネスのためのすべての意思決定に取り入れているブランドです。」と語ります。「社内のグローバルネットワーク全体で、誰もが既存のサステナビリティへの取り組みを次の大きなレベルに引き上げることに意欲的であり、それは非常に嬉しいことです。私たちはこの活動に深くコミットしています。」

2021年1月は新しい年の幕開けであり、私たちにとっても変化のタイミングでした。 これまでに行わなかった手法で、製品を生み出す新しい方法を見つけました。私たちの最も象徴的なパーカのひとつであるエクスペディション パーカを、これまでで最も持続可能なパーカに作り直したのです。どこが問題なのかと思われるかもしれませんが、率直に言って、あらゆる面で不安がありました。エクスペディション パーカは、私たちのコレクションの中で最も重要な伝統的なスタイルのひとつです。南極マクマード基地の科学者たちが、世界で最も過酷な気候から身を守るため、彼らのために作られたものです。そのスタイルは確立され、北極星のような存在の製品です。その上で、サステナビリティを重視するために、色、生地、素材などの基本的な要素を見直すという決断は、容易ではありませんでした。「エクスペディションは素晴らしい遺産であり、世界中のトップセラーのひとつでもあります。」カナダグースの商品デザインのディレクター、ニアム・マクマナスが言います。「ブランドの象徴的な存在であるこの初代モデルを、サステナブルなパーカとして初めて採用することになったとき、当然のことながら、少し慎重になりましたが、同時に、このモデルを変身させることにとても意欲を感じました。この大きなプロジェクトにエクスペディション パーカを使うことは、当然のことだったのです。」

スタンダード・エクスペディション・パーカの名前は、サステナブルな製品づくりの新たな基準となることから付けられました。このパーカには、リサイクル素材、裏地、芯地が使用されています。従来のArctic Tech®パフォーマンス ファブリックに革命を起こし、100%のリサイクル・ポリエステルとオーガニック コットンを使用し、さらに責任を持って調達したダウンを100%使用しています。このパーカは、可能な限り影響を与えないように素材を調達するという、大きな変革を遂げました。また、2022年までに新品の毛皮の購入を中止するというカナダグースのコミットメントに基づき、調整可能なフードにリクレイムファー(再生毛皮)を使用したカナダグース初のパーカです。2022年までに新品のファーの購入を終了するというカナダグースのコミットメントの結果です。

「エクスペディションを構成するすべての要素を監査し、サステナビリティの観点から、これらの素材を最大限に活用するにはどうしたらよいかを評価しました。」とマクマナスは言い、「私たちにとって大きなハードルでしたが、私たちは常に挑戦しています。ブランドにとってのこの瞬間が、今の時代にふさわしいと感じられる魅力的な移行であると認識していました。」

マクマナスとデザインチームにとっては、単に適切な素材を調達するだけでなく、調達した素材が本当に持続可能なものであるかどうかを確認する必要がありました。環境に配慮した素材であるというサプライヤーの言葉を信じるだけでは不十分で、その主張を裏付ける必要があったのです。そのためには、コーポレート・シチズンシップ・チームと緊密に連携し、サプライチェーンを監査し、使用する糸に至るまで、サプライチェーン・プロセスの各段階でサステナビリティ認証を取得する必要がありました。すべての段階で、適切な証明書(いわば「証拠」)を文書化することが最も重要でした。

次に登場したのが、ライフサイクルアセスメントです。製品のライフサイクル全体を考慮することで、ビジネスが持続可能であるとみなされます。ライフサイクル・サステナビリティー・アセスメントでは、原材料の採取から、製品を製造するための加工、消費者までの輸送と流通、消費者による製品の使用、使用後の製品材料の廃棄に至るまで、製品の一生のすべての段階に関連する環境への潜在的な総合影響を分析します。これは、ブランドにとって標準的な意思決定ツールとなっており、決して軽視できるものではありません。「私たちは、既存のエクスペディション パーカとスタンダード エクスペディション パーカを比較してライフサイクル分析を行い、どうすればよいかを検討しました。そのためには、特定の機能が持続可能な方法で調達されているという主張を、その背景で検証していく必要がありました。」とマクマナスは言います。「私たちは、ブランドが行う集団的なグリーンウォッシングを非常によく理解していました。ウッディーに聞いてみてください。」

製品担当のエグゼクティブ ヴァイスプレジデントであるウッディー ブラックフォードは、仕事に誠実な人です。チームが手に負えないと感じることがあったことはすぐに認めますが(「最も有名な製品のひとつを、どこまでやれるかのテストに使うのは神経を使いました」)、彼は自分たちならできると確信していました。それは、カナダグースの精神は、常に起業家精神にあふれ、絶え間ない努力を続けることにあるからです。「私たちの価値観は情熱にあふれ、言い訳せずに、自身に責任を持つ信頼性から成り立っています。」と彼は言います。 「私は皆に、このパーカを作ることでカナダグースの価値観を実践しているのだと言い続けました。妥協のない製品を作り、私たちはブランドの持続可能な革新において新たな領域を追求しているのだと。チームとして、この製品づくりを非常に誇りに思っています。」

スタンダード エクスペディション パーカは、既存のエクスペディション パーカと比較して、カーボンフットプリントを31%削減し、フットプリントに基づく水の使用量を68%削減しました。また、気候変動への影響を測定、管理、緩和するという誓約の一環として、このパーカのライフサイクル評価から発生する炭素排出量を相殺しています。 誰かににとっては、その利益は大きなものではないと思われるかもしれませんが、私たちブランドにとっては大きな飛躍です。まだエベレストの頂上ではありませんが、私たちはその急斜面を一歩一歩登っています。「これからもこのようなプロジェクトをたくさん行っていくつもりです。」とブラックフォードは言います。「持続可能性のプロセスを学び、自分たちのポートフォリオの先を見て、どのように限界を超えていくかを考えることは、私たちのモチベーションにつながります。」

マクマナスも同じように熱心に語っています。「現代的であり続けるためには、私たちの周りで起こっている時代の流れに常に注意を払う必要があります。」と彼女は言います。「私たちは旅をしているようなもので、この製品は私たちが今できる最高のものですが、私たちはその先を見据え続けていきます。」